農地転用に適した土地

1 農地転用するには何らかの目的があります。建物建築や駐車場・資材置き場等の利用がが考えられます。それらの目的のためにどうような農地を選んだ方がよいでしょうか。

2  まず利用目的にによるところもありますが、建物建築のための農地転用から考えてみます。建物建築の場合の農地転用においては住居ののための水道・給水が絶対必要となります。市町村等が供給してくれる水は基本道路の下にある給水管から管を接続してもらうことで建物で水道使えるようになります。建物建てる土地が道路の前面に存在していればあまり問題はないでしょう。しかし、道路から離れた場所に存在する場合は農地まで給水管を延長することが必要になります。この道路から離れた農地に道路から水道管を延長するのは利用者負担となってしまいます。残念ながら道路から離れた農地を利用する方の自己負担となります。市町村等で違いはありますが100万円以上かかる場合が多いです。したがって、建物建築のための農地転用する土地の選定は、水道管がある道路に近い方が金額的にリーズナブルになります。

3 次に、農地の中でも畑の方が田よりも農地転用に適していると考えられます。農地転用の目的がどのようなものであっても現実的に利用するには土がもとからあったほうがわざわざ土を盛る必要と手間がすくなくて済むからです。土の費用も価格はそれなりに高くなります。その点畑は土を持ってありますので費用的にも農地転用に適しています。また田を農地転用する場合でも、場所によっては道路よりかなり低い場所に存在していることがよくあります。農地転用して建物建築する場合は基本道路より少し高い位置まで土を盛るのが通常で、低い場所にある田に土を盛る場合、かなりの土の量が必要となり費用が高くついてしまいます。また土を盛る場合道路に面していない敷地部分に擁壁等が必要となりこちらもかなり高額となります。

4 他の土地との境界が明確な農地の方が農地転用に適しています。農地の転用は基本隣地との境界が明確であることが申請時に求められます。自己の農地でもその一部を転用する場合においても、まず自己の農地を分筆することが求められます。これらの費用も30万から50万円程度かかります。あまり農地で区画が明確なものは少ないかもしれませんが、なりべく隣地との区画が明確な農地のてっみょうをお勧めします。

5 転用する土地が道路に接している場合に雨水排水しうる道路側溝があり、蓋がきちんとされている農地の方が転用に適しています。農地転用においては、昨今のゲリラ豪雨への対策として雨水処理が求められます。農地転用する土地のすぐ横に道路側溝が存在すれば、そこに雨水流すことができます。道路側溝がきちんと整備されていない場合、利用者が自費で側溝の設置せざる負えなくなる場合があり、費用負担が増加します。

6 農地転用しようとする土地の登記上の問題。先々代の登記名義のままの農地はそもそも相続手続きしなければなりません。また、自分が利用できるか不透明な権利関係のままで建物建築どころではありません。自分が相続できるようでしたらよいのですが、手続きの手間時間がかかると思われます。また対象地に何らかの仮登記や古い時代の担保権が存在する場合、これらを抹消しないと基本農地転用申請すらできない可能性があります。せっかく農地転用しても自らの権利を確保できない可能性があり、転用後の利用の確実性が危ぶまれるという理由からです。

埼玉県 吉川市 行政書士  川名行政書士事務所

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